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2008年1月10日 (木)

13歳のハローワーク

 「13歳のハローワーク」.この本は芥川賞作家の村上龍氏が2004年に子供向けに書いた異色作でありベストセラーにもなった.13歳前後の子供に「仕事・職業」に好奇心を持ち探求に向かうことを意図されている.
 ところで,この中には,大小の項目ごとに計514もの職業が紹介されている.ネット上にも公式サイトがある.この中で,「自然と科学に関係する職業」という大項目の下に「火と炎と煙が好き」という小項目があり6種の職業が紹介されている.その一番目がなんと「火山学者」であった.村上氏の紹介文を引用すると,
『噴火は、その規模や形などが、火山によって違う。それがどのような種類のものなのか、火山学者でも推測はむずかしい。火山学の基礎は実際の噴火の現場で観測することである。噴火に接する機会は非常に少ないため、生命の危険があることがわかっていても、噴火があれば、リスクを承知で、対象となる火山に向かう。火山学者にとっては、噴火は研究を活かす最大の機会なのである。大学で地質学を学ぶが、気象学など周辺の学問も重要となる。地滑りや水蒸気など、噴火に伴う現象を専門に研究する人もいる。火山学者の観測と予知によって、多くの人命が救われたケースもあるが、危険な観測で命を落とした人もいる。』
 これを読んで複雑な気持ちになった.7割は当たっているが3割は間違っている.まず,火山現象に対して正しい評価をするために火山の研究が行われるというこう説明が抜け落ちている.しかし,13歳の子供たちに対して,火山に対する動機付けを行うものと割り切れば,これも仕方ないのかか.恥ずかしながら自分がこの業界に入った動機も,噴火現象のダイナミクスに単純に感動したというだけなのだから.火山防災に貢献するぞなんて,学生時代にはこれっぽっちも考えていなかった...
 この本を読んで,我々の業界に入ってくる若い人とはいるのだろうか.我々の世代は「日本沈没」なんかに感銘を受けてこの業界に入った人間が多いが,そのうちに「13歳のハローワーク」を読んで決めました,なんていう新入社員も出てくるかも知れない.

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