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2009年2月 6日 (金)

大島カルデラ内GPS連続点化

 1998年から伊豆大島カルデラ内11点で実施してきたキャンペーンGPS観測点の,悲願の連続テレメータ化がきょう完成した.これで島内27点のうち,キャンペーン観測点は,インフラ整備されていない東岸を中心とした5点だけとなった. 10年前にはじめて高密度なGPSキャンペーン観測を行って変位分布を把握するまでは,大島の詳細な変動はわからなかった.しかし,今ではさらに詳細な活動把握を行うには,時間的に高分解能が要求され,キャンペーン観測では説得力がなくなった.これとカルデラ内の高密度APS観測によって,更なる新たな知見が得られるであろう.

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2009年2月 4日 (水)

まえちゃんねっとの貢献

 今回の噴火は小規模噴火であり,総噴出量は2004年噴火よりもかなり小さい.それにもかかわらず,そのインパクトは中規模噴火であった2004年噴火とひけをとらない.その理由は映像である.2004年の活動では4回の中規模噴火があった.しかしそのいずれも夜間であるか,あるいは日中であっても雲の中であったので,ダイナミックな噴火映像はほとんどとられていない.
 ところが,今回の噴火映像は「まえちゃんねっと」によって詳細に記録され,それを不特定多数がリアルタイムでモニタリングした.「まえちゃんねっと」とは,コンピューターソフトのコンサルをしている前島さんという方が,ほとんどボランティアで浅間山周辺にネットワークカメラを整備して,質の高い映像を公開・提供しているものだ.
 火山学会において話題提供をすることもあり,我々の業界でもよく知られている方だが,今回をはじめとする噴火映像の提供においては,最近の学界に充分貢献されている.と同時に,草の根火山ファンにもモニタリングの機会を与えることに成功し,噴火現象を間近に感じることによって火山に興味を持つ人たちの裾野を広げたことにも貢献している.

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2009年2月 3日 (火)

成功した浅間山の降灰予報

 大島空港にも浅間山噴火に伴う降灰を観測したということを聞いた.昨日上陸したところそんな様子はなかった.しかし,わが社の大島空港分室によると,噴火の第一報が入ってすぐに降灰がわかりやすいように黒いアクリル板のようなものを置いたところ,白っぽい灰がつくのがわかったという.注意しなければ気づかない程度の降灰があったということだ.数年まで大島支社の火山担当調査官をしていただけあって,対応がすばらしい.
わが社の噴火直後の,移流拡散モデルによる降灰予報は,南東方向への領域とほぼ一致した.これもすばらしい成果である.大島は浅間山からの降灰分布の主軸からは南にそれるが,噴火時の対流圏下層は北東風系であったので,それに乗ってきたいくらかが南に流されてきたのだろう.総噴出量は2~3万トン程度と見積もられているが,この程度の少量の降灰予測であっても,これほど精度よくシミュレーションできるようになったことはすばらしい.
 冬季の降灰分布は上層の強い北西風系にのって,幅は狭いが比較的濃い降灰領域が遠くまで延びる.今回も浅間山から遠く離れた東京の立川あたりで,かなりの火山灰が降ったという報道があった.これを見ると浅間山近くの軽井沢の報道映像と大差なかった.このように小規模噴火でも精度よく降灰予報が出せるようになることは,防災情報のほかに生活情報という面でも有効である.

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2009年2月 2日 (月)

成功した浅間山の噴火警報

未明に浅間山が噴火.きょうから伊豆大島出張を控え少し戸惑ったが,これから何か効果的な観測ができるという目処もなく,予定通り出発.
 前日13時に噴火警報が出ており,その13時間後に噴火.これは非常に喜ばしいことであるとともに,驚くべきことだ.2004年の噴火活動で得られた経験則(傾斜変動と地震の急増)により,今回はじめて浅間山で噴火警報を出した.自分は,桜島のように定常的に噴火しているならまだしも,間欠的に噴火する火山では全く同じシナリオで噴火活動予測が可能な例の方が少ないと考えていた.規模は違うが,2000年三宅島や1991年雲仙岳など,直近の噴火活動で得た蓄えは通用しなかったからだ.浅間山の噴火警報がうまくいくのも五分五分だろうと踏んでいたが,今回はみごとにはまった.この程度の規模であれば,直近の噴火メカニズムはそのまま保存されているということなのであろう.
 とにかくめでたいことである.

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